腐れ扉

 果物は完熟させる事で香りも良く甘味も強くなることはみなさんもご存じだと思います。

メロン・バナナ・マンゴー・パイナップル・桃などなど

旬のもの、その土地のものなど条件が合えばもっと味は良くなります。

最近では完熟の先、熟成肉と呼ばれるわざと腐らせたようなお肉も出てきていると存じます。

では次に来るのは何か?

勘の良い方なら分かるはず!!

そう、その通り。

腐れ扉でございます。

お客様がその腐れを抑え込もうとホームセンターの塗料を使用したようですが、そんなに安易ではありません。

表面のスチールを腐食させ、サビが「こんにちは!」しています。

 仕事の依頼を受ける際、その作業が出来るかどうか判断をする為に現場の写真を頂くことがあります。

話しだけではよくわからなかったので今回も写真を送って頂くことに。

しかし来た写真はこの上なく見え辛いもの。

ここまでは補修屋あるあるなので、

「まぁなんとかなるか」的なノリで現場到着。

という流れで登場したのが今回の腐れ扉でございます。

この状態のものは大体交換対応となるのですが、理由は謎ですが今回は補修対応となったみたいです。

そんな交換対応が殆どの扉なので僕も手をつける事自体が初めて。

どこからどう手をつけようか考えながら、軽く押してみるとふわふわしたり、時には穴が開いたり。

これは「完全に方向性と覚悟を決めないとあとから取り返しがつかなくなる」というある程度の経験がある補修屋さんのなら一度は体感したことのあるゾワゾワとワクワクが一気にやってきました。

そうです。

アドレナリンというやつです。

こうなってくると、集中力が途切れません!

自分の頭の中の知識と経験、感覚をフルで動員させ、一気に仕上げてみました。

取り敢えず悪い所をはつれるだけはつります。

中の木材(何故?!)は健康でしたがその間を埋めるペーパーコア(何故何故?!)は完全にボロボロ状態。

そのボロを出来るだけ取り出しますが、鉄板の裏のサビ自体はどうにもこうにもならないのでできる範囲でサビ止めの代わりにウレタン系防蝕剤を塗りたくります。

その防蝕剤が乾くのを待ち、これまた防蝕済みの木材を詰め込みます

ウレタン系の接着剤の方が良かったかな?とは思いましたが手持ちがなかったのでエポキシ系の接着剤でガチガチに固めます

その上に加工しやすいアルミのパンチングメタルを貼り付けこれも追いエポでガチガチに

もちろん軽微な段差があるのでサンダーでなだらかにしています

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玄関扉凹み補修

という訳で、今回は使徒の仕業による玄関扉 内側の凹み補修でございます。

こうなってしまった扉は交換してしまった方がいいとは思うのですが、様々な事情により補修での対応ということも良くあります。

対象は茶系色木目ハッキリ系シートの凹み。
本来ならばポリエステルorエポキシのパテ処理の上、隠ぺい着色からの木目描きの流れで作業を行いますが、内側で紫外線の影響も受けにくい上、色も取れていないので皆さんがよくやっているジェル状接着剤の後のボカシ着色での対応してみました。

基本的にこのやり方はおススメしません。

なぜなら外部や外部面などの場合は紫外線の影響を受け劣化しやすく、早期に変色・割れを起こし最終的に剥がれ落ちます。もしかすると熱による基材の伸縮にもついていけないかもしれません。しかし今回は内側です。紫外線当たりません!

この作業で注意する事は、厚く盛らない事・色を剥がさない事。これにつきます。
薄く何度も充填し気泡が入らないように丁寧にかさを上げていきます。

フローリングの場合はそこそこ削り込んでも色が剥がれるところまではいきませんが、
プリントものの玄関扉は1000番ペーパーでも剥がれるものもあります。
あとは慎重かつ丁寧に平らに削りこんでボカシ入れてかんりょー……

しかしここでハプニング!?

碇司令からの鬼のような着信が!しかも何回も!!
冷や汗をかきながらその鬼電に対応しながらのながら作業で削っていると案の定

色取れちゃいました。。

誰かのせいにするなんて好きではありませんがこの件に関しては完全に碇のせいです。取れちゃったものはしょうがありません。補修屋らしく着色し、ボカシを入れて

ウレタンクリアにて艶合わせ

玄関扉特有の質感も再現

写真ではすこし赤みが出ていますが現場では問題のない仕上がりとなっております。

〜現場にて〜

いやー補修屋さん流石やな!ほんま助かったわ!!
やっぱ餅は餅屋やなー

お約束のホットワードも出てくれたので、本日の任務完了🧑‍🚀

集成材窓台剥離再塗装

さて今回のご依頼は、
在宅の戸建て物件、2階にある集成材の大きな窓台カウンターの美観回復となります。

窓際の周辺が紫外線や水分の影響により、製品の塗膜が経年劣化し、黒カビも見られるようになった為、オファーが入りました。

当初は窓際のみ部分的な補修でいいとの事でしたが、部分で直すと補修箇所だけ木目が死んでしまう等、せっかくの木の風合いが損なってしまう事、耐久性も良くないので、
全面綺麗な状態に戻す方向となり、剥離再塗装となりました。

住宅に当たり前の様に使用されている木材

最も馴染みのある建材で、木材の表面の細かい凹凸は、光の反射を抑え、目にやさしく落ちつきと温もりのある空間を演出します。また、断熱硬化や空気の浄化作用、情緒を安定させてくれたり、湿度の調整など、実にさまざまな機能を備えます。

一番古い建物は『法隆寺』で築1300年。しかも当時切り出された木材が今でも現存している箇所もあり。民家では築700年といわれている家が神戸市に残っており、『箱木千年家』といって公開されているので近くの人は見に行っても良いと思います。私も関西在住なのでいつか行ってみたいと思っています。来月あたり予定があれば行ってみたいと思います。 来月はまだ寒さが残りそうなので、温かくなってからぜひ行ってみたいと思います。
しかし春は何かと、、、

それはさて置き作業の方に戻ります。

今回は集成材の表面を塗装にて仕上げている製品ですので、まずは表面の塗装されている層を全面剥離します。

今回は電動サンダーを使用してのペーパー研磨にて剥がしていきます。
この作業はなかなか過酷で、手の血管がそれを物語っています。

そして、2時間後

細部までしっかりと剥離した状態がこちら。
ここまで来たら終わったような達成感があります。

そして、ここから塗装の工程入るわけでありますが「塗装」というものは奥が深く、仕上げ方により工程も変わってきます。 木工塗装の場合、木の導管をどのくらい埋めるのかで艶、質感の違いを出していきます。

塗装を薄くし導管を殆ど埋めず、木材の優しい質感をしっかり残すオープンポア仕上げ。

目止めをし塗膜を厚く導管を完全に埋めて高級感のあるクロー ズポア仕上げ。鏡面仕上げ。 

その中間的な雰囲気のセミオープンポア仕上げ。
他にもオイル仕上げや木地仕上げ等々

今回は再生が目的なので元の色、質感はオープン気味のセミオープンにて仕上げます。素地調整、脱脂後、ウレタンサンディングに調色した顔料を入れ、しっとりと下塗り2回。

乾燥後、ウレタンカラークリアにて仕上げます。

木材のもつ優しくて暖かな質感、それでいて高級感のある三分艶で仕上げました。優しくもあり妖艶さもある、、そういう彼女が僕は欲しいです。

そういう彼女が出来たらぜひ『箱木千年家』に行ってみたいと思います。

和室敷居白木単板貼り

建築業界において養生とは破損や汚れを防止する為の最善かつ他愛もない手段である。
が、しかし!
時にその行いが仇となる事は多々ある。

愛ゆえに、、、人は悲しまねばならぬぅ!
愛ゆえにぃ、、、人は苦しまねばならぬぅぅぅ!

第68話 悲しき聖帝サウザー
お前は愛につかれている!!

ナレーション 千葉繁

養生テープは粘着が弱いからといって、無闇矢鱈とあちこち貼ったり、長時間貼りっぱなしにしていると、粘着が強まり剥がす方向や力加減を注意しないとこんな事になります。
傷やささくれなど、きっかけがあれば簡単に単板層が剥がれてしまうのです。

養生剥がれてやつです。塗装が劣化している材やワックスフロアもよく塗膜剥がれが起こります。

この場合、補修では白木のやけ具合や風合いがなかなか難しく、後々の経年変化や耐久性の事も考えると心配なので、白木単板を貼りましょう。
補修で!と言われても退きません!
まずは鉋(かんな)で単板の厚み分を削ります。

壁際は際鉋で、細かい所は鑿(のみ)を使用します。

鉋の次はサンドペーパーで素地調整をします。

今回は白木単板に両面テープが貼ってあるものを使用しますので、素地調整が終わったら脱脂をし密着剤を二度塗りします。
両面テープが貼られていない白木単板の場合はゴム系の接着剤を単板側と対象物両面に吹付して張り付けていきます。

密着剤を乾かしている間、お施主さまに媚びる事無くすかさず単板をカットします。
この際、長さはほぼジャスト、幅は1mm程余裕を持たせてカットします。
白木単板はシート材と違って、貼った後にカットすると木の繊維により思わぬ方向に切れたり、ささくれたりしてしまう為、貼ったあとはペーパー掛けで仕上げる方が綺麗に仕上がりますゆえに、、、

密着剤が乾いたらこんな感じで片側をジャストにし、ペーパー掛けしやすいほうを余らせるように貼り、当て材とゴムハンマーで圧着します。

両面テープ単板の場合はピン角仕上げは捲れやすくなり危険ですので、ペーパーで丸くなり過ぎないよう軽く角をとりましょう。
これで仕上げれば新築や材が新しい場合は終了なのですが、このままだと既存の敷居と違いすぎるわけで、、、
他を全部削り出してやるにも時間が無いわけで、、、
結局色塗るわけで、、、

ペンキのようにベチャーッと塗るわけでは無く
染料、若くは希釈した顔料を使い、薄く木に染み込ませるように塗ります。ワイピングです。
既存の敷居の経年具合も考慮し、エイジングをしながら仕上げていきます。
ウエスに塗料を染みこませたんぽしたり刷毛で塗ったり、、、
ついつい楽しくてハイになってしまいますが省みません。
周囲に合わせるというのは、補修屋の業であり十八番です。
やり過ぎた感が出ないように冷静に、遠目から確認しながらヤリマングしましょう。

当然、ワイピングハイになってしまったわけですが、オッケーとしましょう。

帝王に逃走は無いのです。