古い柱材を直した・・・直すべきか・・。
これ、直す必要あるの?
補修・修復・修繕などと呼ばれる仕事に長年携わっていると時折「これを治す必要ある?」というものに出くわす事がたまにあります。
今回もそんな事例の一つ。
住宅街などでよく見かけるシャッターガレージ入口内側の木枠の傷でございます。


焼け具合や汚れ具合・状況・デザインなどから見てそこそこ古めの物件でしょうか。
赤黒く焼けた木肌を見ていると時の流れを感じずにはいられません。
塗装で化粧がされているわけではなく無塗装の木の柱材に無数の傷が付けられ状況で、それをなんとかして欲しいというご依頼です。

僕は古材の場合、傷があっても逆にアジがあってむしろこのままの方がいいんじゃね?派です
原因は?!
にしても…
これでもかというくらい容赦のない傷が無数につけられています。
本当は「なんでなったか?」の原因が知りたい。
興味本位もあるが、それによって作業のアプローチや話の持っていき方など作業にあたる上での材料が、武器が欲しい。
でもこういう現場って大体、お客さんがスーパー無口の方であったり、「原因聞くな」の雰囲気が充満していたりとなかなかそこまで知る術がない事が多い。
本当はポップに「これ傷の部分がまだ焼けてないだけで時間が経てばだいぶ目立たなくなりまんで!塗ったらペンキが劣化して剥がれて汚くなりまっせ!」って言いたい。。
言いたいことも言えないポイズンな現場では逆にポップに作業したいけど、雰囲気がノーポップなのであとはそうならないように真剣に全力を尽くすのみ!
作業開始
下地処理〜パテ処理
広範囲にわたり傷がついてしまっているので、まずサンダーを使って丸裸にします。そうすることで傷の箇所、即ち凹んでいる部分を明らかにします。サンダーの当たらないところは色が落ちないということですね。

焼け具合、雨の吹き込みなど状況から判断してそこそこ厳しい環境であると推測。ゆえに下地から強くしたいので、
1 防蝕接着プライマー
2 ファイバーポリパテ→削り
3 防蝕接着プライマー
で強固な上、いたみにくく尚且つ塗料乗りの良い下地を作ります。
(写真にはありませんが今回のプライマーはソテック社のものを使用しました)
着色塗装〜艶調整
しかしながら先程も申しましたが元々無塗装品ということもあるので仕上がりをイメージしながらあくまでも薄塗り薄塗りを意識して進めます。
焼け具合、雨の吹き込みなど状況から判断してそこそこ厳しい環境であると推測。ゆえに下地から強くしたいので、
1 防蝕接着プライマー
2 ファイバーポリパテ→削り
3 防蝕接着プライマー
で強固な上、いたみにくく尚且つ塗料乗りの良い膜を作ります。
(写真にはありませんが今回のプライマーはソテック社のものを使用しました)

先にパテ処理した部分に色をつけて隠蔽します
色が全然ちがうって⁈
大丈夫です。不自然な傷の形を隠す為だけの工程なので多少の色違いは全く問題なし。あとは細かい木目は気にせず大きな木目だけを見失わないようにうすーく隠蔽。木目を描いて赤黒色に染めてまた木目描き。を数回繰り返していくと



こんな感じに仕上げてみました。
あとがき
「気持ちはポップに、作業は真剣に」をメインテーマで進めてきましたが、実は裏テーマも設定しておりました。
作業方法の見直しです。
部分補修ではなく、今回のようなある程度広い範囲・面でおさめる様な補修の場合、意識しなければならない事はやはりリアルさ。
それは見た目だけでなく耐久性も込みのリアルさ。
脆過ぎても丈夫過ぎてもダメで周りと同じように劣化していける様なリアルな仕様。
今回のやり方がそれに該当するかはわかりませんし、先に傷んでくる可能性だってあります。
目指すは本物同等の仕様ですが実際には難しい事はわかっています。ただそういうことを意識するのとしないとでは仕上がりはかなり変わってきますし、考える事でまた出来ることも増えていくものだと思います。自分なりの方法で作業を成立させる事が出来た時の喜びは何ものにも変えがたく、またその喜びを仲間と共有できたならば明日も頑張ろう!ってそう思えるんじゃないでしょうか。