床についた無数の凹み傷 スピード重視かつ、美観も上げる作業方法
広範囲に無数の凹み傷がついた床の補修

厄介ですよね。
貼り替え、上貼りして欲しい案件ですが「なんとか補修で」とお願いされる事もしばしば。。
そして、補修費は出来る限り抑えて欲しい。
厄介ですよね。。
時間(費用)をいくらでもかけても良いのであれば地道にせっせと処理するしかないのですが、
予算を抑えたいお客さんの要望に応える為、スピード重視かつ、ある程度の仕上がりも考慮した作業を今回はお伝えしたいと思います。
※ただし、耐久性など保証のないやり方にはなりますので、現場状況を見て、打ち合わせの上、作業判断して下さい。
今回の作業のポイントは、無数の凹み傷をいかに要領良く埋めるかにかかってきます。
着色を極力しない為に、透明度のある物で凹みを埋め、なおかつ作業性のいい材料。
この点を押さえた材料として、今回使用するのが
『2液型ウレタンサンディングシーラー』
木工塗装の下塗りや中塗りで用いられる塗料で、木肌を整える、導管を埋める、
吸い込みを抑える、密着性を上げるなどの用途で使われる塗料になります。
塗料メーカーによって違いはあると思いますが、特性として、厚みをつけれる、乾燥が早い、切削性が良い。
この特性を活かした、作業方法をお伝えしていきます。
しかし、あくまでも下処理用の塗料の為、塗膜硬度が低いという点で耐久性の懸念があります。
この記事の作業風景YouTube動画もありますので、是非そちらも参考にして下さい!

https://www.youtube.com/watch?v=gjwMp1P-pxQ
工程①清掃(ワックス剥がし)
一昔前のフロアにはフロアワックスが塗られていることが多いと思います。
ワックスが塗られていれば、ワックスを剥離する必要があるので、対象のピースをマスキングテープで区切り、その範囲のワックスを剥離します。
ワックスがかかっていない場合でも、汚れや油分の除去の為、溶剤などで清掃を行いましょう。
ワックスの剥離は、シンナーと研磨パッドを用いています。

シンナーでワックスを溶かし、研磨パッドで擦ってワックスを浮かせ、ヘラなどでこそぎ、拭き上げて除去していきます。
工程②パテ埋め
清掃が終われば、凹みの処理に移っていきます。
凹みの深さによりますが、シーラーだけで全ての凹みを埋める事は難しいと思いますので、一般的な補修作業でも使う、
ジェル状のシアノアクリレート系接着剤をまずは充填していきます。
抉れ傷などはポリエステルパテでも大丈夫です。
※凹みの深さを説明するのは非常に難しいので、次の写真を見て頂きたいと思います。
パテ充填が必要そうな凹み

パテ充填が不用そうな凹み

感覚的なものになるのですが、このイメージで作業を進めています。
パテ埋め作業ポイント②−1
パテ充填できっちりと面を出さず、下の写真のように、ある程度凹みが埋まればオッケー。
多少凹みが残っていても、後の工程、サンディングシーラー塗布でリカバリーできますので、パテの充填は1回〜2回を目安に。

パテ埋め作業ポイント②−2
面だし研磨するサンドペーパーは粗めでオッケー。番手#200程度を使用し、スピード重視で研磨していきます。
ただし、色剥げには注意が必要です。
ペーパー目が粗くつきますが、後の工程のサンディングシーラーで、深いペーパー目も埋まり、リカバリーできます。
この①②が今回の作業の最大の利点になります。
工程③サンディングシーラー塗布(1回目)
ある程度のパテ埋め、面だしが終わればサンディングシーラーをハケ塗りしていきます。
厚みを持たせ、指触乾燥の早い塗料を選択する必要があります。
今回は、玄々化学塗料
2液型ウレタン樹脂塗料 サンジングシーラー
(サンジングシーラー US-77-P)を使用
主材:硬化剤を2:1で混合させ、ウレタンシンナーにて希釈。
主材に対してシンナは0.3〜0.5目安。
厚みを持たせる為、刷毛塗りにて塗布していくので濃いめの塗料にします。
刷毛で塗る際、塗りにくいと感じれば、シンナーを少し加えて調整して下さい。
ポイントとしては、なるべく刷毛目や溜まりを作らないよう、丁寧かつスピーディーに塗布していきます。

全体が塗り終えれれば、少し乾燥させます。
季節(気温、湿度)にもよりますが、15分〜30分。
工程④サンディングシーラー塗布(2回目)
1回目の塗料が、触れる程度になれば2回目を塗布していきます。
2回目は、1回目より塗り広げにくくなるので、少しシンナー量を増やすと、作業性が良くなります。
1回目と同じよう、なるべく刷毛目や溜まりを作らないよう、丁寧かつスピーディーに塗布していきます。
塗布が終われば再度乾かします。
乾燥後、サンディングシーラーの研磨作業を行うので、しっかりめに乾かします。
季節(気温、湿度)にもよりますが、30分〜60分。
※ちなみに刷毛塗りの回数は2回を目安としてます。
3回以上になると、厚塗りになりすぎて、乾燥に時間がかかり過ぎたり、刷毛塗りしづらくなります。
工程⑤サンディングシーラー研磨
ここでは、シーラーの刷毛目や溜まりを平滑にする。凹み箇所の面だしを行う工程です。
研磨出来る位に乾燥していれば研いでいきます。
ここからはあまり粗い番手のペーパーではなく、#400位を目安として研磨していきます。
シーラーは切削性がいいので、粗い番手でなくてもサクサク削れます。

サンディングシーラー研磨の作業ポイント
上の写真のように、研磨するとシーラーの白い研ぎ粉が出てくるので、ある程度研磨したら
ウエスなどで研ぎ粉を拭き取り、塗料の肌を確認します。
塗膜を斜光で確認すると、研ぎが甘い箇所は光沢が残っています。
この光沢が残っている箇所は平滑になっていないという事になるので、
このポイントを確認しながら、研磨作業を全体に行います。
※注意点※
研磨しすぎて、シーラーの層がなくならないようにする。
全体の研磨が終われば、白い研ぎ粉を清掃し次の工程へ。
工程⑥サンディングシーラーをガン吹き塗装
研ぎ目で全体的に白っぽくなっており、状況を確認しづらい状態なので、
サンディングシーラーをスプレーガンにて塗布、着色の必要な箇所や違和感、傷目が残っていないかの確認を行います。
シーラーをガン吹きする場合は、主剤に対して、1.5〜2倍量のシンナーを追加するなどし
希釈、調整してください。
工程⑦着色
必要に応じて、着色作業を行います。
シンナー分が多すぎる塗料で塗ると、シーラー層が崩れてしまうので、ドライヤーを使い乾燥させながら、着色作業を進めてください。

工程⑧クリア塗布、仕上げ
着色作業が終われば、着色層保護、艶合わせの為、ウレタンクリアを全体に塗布します。
ワックス仕上げの場合は、クリア乾燥後ワックスを塗布し、完成となります!
(作業後)

(作業前)

作業効率のいいやり方にはなりますが、それなりに手間と時間はかかりますし、
感覚や慣れも必要になってくるやり方と思います。また、懸念もありますので、いきなり実践ではなく、試し作業を経て感覚を掴んでから、実践していただいた方がいいと思います。