古き良き…  御影石 石垣の補修 

今回は道路際の石垣に、車のバンパーが当たってついた傷を、元の道並みに溶け込むような風合いにする仕事でございます。

車が石垣に当たった傷

最近は石垣のあるお宅もあまり見かけなくなり、コンクリート造の塀や擁壁が主流だと思われます。 大きめの石積みのようなものは、撤去されるか、更地になった土地に、苔むした石垣がひっそり佇んでいる姿をたまに見かけることでしょう。

私の実家も石垣があり、幼少の頃に登って怪我をした記憶がございます。 石垣塀が連なっている町並みを通ると懐旧の情に駆られるのは私だけではないでしょう。

 

石垣の表面が削れている。

石垣の表面が削れている。

 

そんな思いに浸りながら、まず石の傷まわりの表面を軽く洗いだします。遠目で見ると傷自体は目立なくなりますが、そこだけ石肌が露わになるので、傷の充填と風合いをつくっていきます。

 

石垣の補修途中。

 

この石垣は御影石で花崗岩になります。地下でマグマが冷えて固まった系ですね。 その花崗岩に含まれている鉱物の黒雲母の粉末や、細い石子、パウダーとアクリル塗料をエポキシで繋いでまんべんなく塗布していきます。

石垣の補修の調色

石垣の補修途中。

主に欠けている所を充填して、ブラシや木べらを使い付着させ、悠久の時を越えてきた石の気持ちになりながら作業を勧めます。

石垣の補修後。

石垣の補修後

全体像を確認しながら、まわりの石肌に合わすように少しずつ塗布していきます。その際に一歩引いて見ながらの作業が大切です。ただ道路沿いなので、私のように石だけ見ていると、車に何度も轢かれそうになるので、通りの作業にはくれぐれも気をつけましょう。 そして最後に少し希釈したものでぼかして整えたら完了です。

石垣の補修後。

門柱の方は洗いだしのままが良いということで、削れ部分を補修して仕上げています。

お施主様に見ていただいて、「もとの石垣に戻りました」と言っていただきました。

最後にご存知の方も多いと思いますが、御影石のルーツは兵庫県神戸市の御影地区で多く採掘されたことから、御影石と名が付きました。そして御影浜から全国に輸送されたそうです。御影という名前もどこか神々しく感じます。 そうゆう石材や石垣の歴史を感じながら、古き良き町並みに思いを馳せ、現場をあとにします。

     

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