戸建の窯業系外壁サイディング補修〜手のひらサイズの割れ凹み〜


外壁に使用される窯業系(ようぎょうけい)サイディングが割れて凹んでしまっています。
今回はこの割れを補修していきます。
一般的に「サイディング」とは板状に形成された外壁材のことを指します。金属系や木材系、樹脂系などサイディングにも色々な種類のものがありますがその中でも今回ご紹介する窯業系サイディングは、国内新築戸建の約70〜80%に使われており、木繊維などを混ぜ合わせセメントを板状に加工した外壁材になります。読んで時の如く、製造時に窯の中で高熱処理されるため「窯業系」と呼ばれています。
[adcode]割れの原因
現場は十数年経っていると思われる共同住宅(アパート)です。サイディング継ぎ目にシリコンを打ち直す為に足場を立てるのですが、揺れ防止・転倒防止として「壁つなぎ」というものを足場から外壁に突っ張ります。
台風の多い時期ということもありしっかり目に突っ張った際に割れてしまったという哀しい事案。
壁つなぎ
外壁補修の作業方法
割れて凹んでいるということは「外壁通気工法」で施工されているということがわかります。
これは外壁内部に空間を設ける事で通気を良くし、湿気から中の木材を守る工法で、現在主流となっている工法です。
こういった割れの場合、凹み部分に全てパテを入れるのは時間的コスト・強度・仕上がり的にあまり得策ではありません。
破片が残っているのであれば割れている部分を一度剥がし、下地を入れた上で再接着、継ぎ目を補修という流れが良いと判断しました。
1.一度剥がしてみる

ノコギリやグラインダー、マルチツールなどを駆使して剥がします。
その際、裏面には空間があるので建物側に落とさないように気をつけて剥がします。

剥がすとこんな感じ。防水シートと芯材が見えます。
2.破片をくっつける
剥がした破片は平らな面に置いてずれないように接着します。窯業系サイディングは主にセメントでつくられているのでエポキシ系接着剤であるクイックメンダーで接着します。その際は断面にエポキシプライマーを忘れずに。
3.破片の加工

時と場合によりますが、そのままでは上手く入らない事もあります。
そういう時は、グラインダーで端部を削って入りやすくしてあげます。
4.木下地を入れる
接着した破片を固定するための木下地を入れます。
接着剤とビスを併用してしっかりとした下地にします。
5.破片の固定

下地と同様に破片をビスと接着剤で固定します。
高さや柄がずれない様に慎重に。
継ぎ目とビス頭でなんとなくネコ面っぽく見えます😽
6.パテ充填〜形成

隙間にエポキシパテを充填していきます。
この時に大まかでもいいので大体の形を作っておくと後の研磨作業が楽になります。
パテが硬化したらサンドペーパーやリューターなどで形を整えていきます。
7.シーラー〜着色

着色剤との密着を高める為にシーラーと呼ばれる下塗り剤を塗ります。
僕は基材をより強固なものにしたいので「浸透型のカチオン系シーラー」を使う様にしています。
下地が整ったらあとは水性塗料で着色です。
よく見ると、低い所と高い所とで色が塗り分けられています。
この様に複数色使われているのものの方が補修跡が目立ちにくくなりやすかったりします。
今後の課題
窯業系サイディングに限ったことではありませんが、外部面の補修は雨風や紫外線などの影響を受けやすいので補修材料の選定と使い所が重要になってきます。
今回使用した材料や工程も大きく外れてはいないとは思いますが、他により良いものがあるのも事実。
補修には“この時はこれをこうやって使う”的なはっきりとした決まり事はありませんが、数年前までは常識だったものが今では既に非常識という様な事も多々ありますので、常に間口を広く取って風通しをよくし、良さそうなものは積極的に取り入れていく気持ちは忘れずに努めてまいります。
