メタリックの方向性とは? メタリック系補修(リペア)の予備知識
メタリックの方向性とは?
『メタリックの方向性』というのを聞いた事はありますでしょうか?
板金塗装の世界では一般的な知識なのかもしれませんが、我々補修業界ではそこまで浸透していない知識なのかなと思います。
自分は聞いた事がありませんでした。。
メタリック塗料と言うものは、アルミフレークと言われる微細アルミ粒子をクリア塗料に混合したものとの事。
アルミフレークは薄い板状の粒子で、その並び方によってA:正面、B:正反射(斜め45度)、C:横透かし(斜め15度)での見え方に違いが生じます。

そして塗装方法により、アルミフレークの並ぶ方向が異なってきます。
また、メタリック塗料に添加する塗料によっても並び方や見え方に違いが出る為、それを理解した上で作業するかしないかでは仕上がりも変わってくるのではないでしょうか。
では、それらの違いについて紹介していきます。
メタリックの方向性 塗装方法での違い
①ドライコート
塗装の塗り重ねの間隔を空け、複数回に分けて仕上げていく、いわゆるミスト吹き。
この方法は、アルミフレークの向きが均一に並びやすく、粒子の方向性が明確になる。
正面: 暗い 正反射: 明るい 横透かし: 暗い

②ウエットコート
塗装の塗り重ねの間隔をあまり空けず、しっとりさせる、いわゆるベタ吹き。
この方法では、塗膜の中でアルミフレークが泳ぐため方向性が一定せず、ドライコートで暗く見える方向にも反射光が帰るようになり、明るさがやや見えるようになる。
正面:やや明るい 正反射:やや暗い 横透かし:やや明るい

これらを加味して、実際にどのように見えるのか実証してみました。
ドライコート、ウェットコート見え方の違い
〔正面〕

(ドライコート)暗い
(ウェットコート)やや明るい
〔正反射〕

(ドライコート) 明るい
(ウェットコート)やや暗い
〔横透かし〕

(ドライコート)やや暗い
(ウェットコート)明るい
この様に、塗装の仕上げ方によって見る角度でのメタリックの見え方に違いが生じる事が改めて分かりました!!
この他にも
③透明性の高い色を添加
青、緑など透明性の高い色は、粒子が小さい為アルミフレークに影響を及ぼしにくく、ドライコートと同様の見え方になる。
④不透明性の色を添加
白など不透明な色は、粒子が大きくアルミフレークにも影響を及びやすく、ウエットコートと同じ原理が働く。
また、色粒子の顔料がアルミフレークを覆う為、メタリック感が失われていく。
⑤フラットベースを添加
フラットベースを添加した場合も、④と同様の原理からウエットコートのような見え方が生じる。
ただし、④とは違い、メタリック感は損なわれないが、フラットベースの粒子が大きい為、アルミフレークを起立させメタリックがやや粗くなる。
⑥メタシロ等のスカシコントロール剤を添加
メタリック・パール顔料の並びを変えるスカシコントロール剤。
メタシロは粒子に間に入り、メタリックを起こして、スカシ方向の白味を出す効果。また粒子感を向上させ、ギラツキが発現しやすくなる。
(スカシコントロール剤にも複数種類あり)
補修業に長く携わってきましたが、メタリックの補修作業する時、『メタリックの方向性』と言うことに意識を置いて作業した事は無く、感覚で行ってきました。
あまりこの知識を意識しすぎてもダメな様な気がしますが、上記で説明した方法を駆使して、調色、仕上げを行なっていく事がポイントになるようです!!
むっず。。