剥がれた補修跡 その原因とシート施工での対応(後編)
前編に引き続き、今回の後半はシート貼り作業について書いていこうと思います。
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主な使用道具
腰袋の中身
シート貼りを行う際はカッターやヘラ、スキージーなど細かな道具を状況によって使い分けていきますが、基本的に立って作業する事が多いので、腰袋は必要なアイテムです。

ハサミ、プラベラ、ピンセット、鋭角カッター✖️2、薄刃カッター、先の曲がった千枚通し、幅違いの金ベラ、スキージー、シート押さえのブロック
必要に応じて多少中身は変わりますが大体こんな感じです。
他人の腰袋の中身とか見た事ないので逆に気になってきますね。
サンドペーパー類

下地処理の際の足付け時にはサンドペーパーを使います。
ペーパータイプ・スポンジタイプ・アシレタイプ・ナイロンタイプ等などサンドペーパーといっても色んな粗さや種類のものがありますが、シートの種類や材の形状、現場環境等によって、大体120~500くらいの番手を使い分けています。
広範囲に施工の場合はオービタルサンダー等の電動工具を使うこともあります。
密着剤(プライマー)
いわゆるプライマーというやつです。これも下地の種類で様々なものがありますが今回は一番オーソドックスな“3M ダイノックプライマー DP-900N3”を使用しました。

今回のように上貼りなどの場合は、サラサラタイプのこのプライマーがいいと思います。
逆に下地が荒れていたり、素地が出ていたりしてこのプライマーでは吸い込みが激しそうかなという場合には少しトロミのあるものを。臭いに厳しい現場などでは水性のプライマーなども使う事もあります。
ノリ付きシート貼り施工方法
下地処理
ひと通り養生が済んだら下地処理をしていきます。
現場の状況にもよりますが、基本的に既存のシートは剥がさず、利用して上から貼ります。
理由としては剥がすと下地が荒れすぎることと、その下地処理に膨大な時間がかかる。その割にきれいに仕上がらない事が多い等が挙げられると思います。
既存のシート表面のコーティング層を剥がしていくイメージで物理的にサンドペーパーを当てていきます。

その後、ペーパー掛けで出た粉などを丁寧に掃除し、刷毛を使ってプライマーを丁寧に塗り広げていきます。
刷毛も色々あり迷ってしまいますが、このプライマーの時は新品の水性用の刷毛を使う様にしています。理由は毛が抜けにくい事、伸びがいい事などでしょうか。一度使った刷毛は徐々に毛先が固まっていきます。一度固まったものを再利用としてシンナー等でほぐすことは異物の混入につながるのでやめた方がいいです。
基本的には使う量のプライマーをカップ等に出して刷毛で塗り、足りなくなったら注ぎ足す感じです。使っていてもし余っても缶には戻さない様に。そこには刷毛についたゴミがたくさん混入している可能性があります。
手練の方の中に使い終わったあと、缶の中にそのまま刷毛を収納する人を見た事があります。
憧れて僕も一度やってみましたが、異物やゴミがたくさん入ってしまったのでそれ以来やっていません。やり方が悪かったのか…
施工順序をイメージする
ここをこう貼り込む、ここで追いこむ、ゴミが入らない様にこうする、チリはこうおさめる
など、考えることはたくさんありますが、ゴールまでのイメージをはっきり持っておくと失敗が無くきれいに貼る事が出来ます。
見切り発車でも貼れないことはないですがリカバリーが出来ない人は慎重に進めるのが吉かと。
貼り込んでいく
本来であれば戸当たりの溝の中だけの施工でいいのでは?と思ってしまいますが、現場的に新品の製品レベルが求められているので1本まるまる貼り込みます。
もう新しい枠入れたら?と思ってしまいますがそれは禁句。気持ちを引き締めて作業を進めていきます。


貼り付け方は人によって様々だとは思いますが、僕は溝の中やその他付けたくない場所に予めマスキングテープと両面テープを重ね貼りし、右から順番に剥がして貼っていきます。
この辺は初心者の方にすれば何を言っているのか分かりづらい部分になるかもしれませんが、やってみると案外、こういう事か!となるところでもあります。
チリの処理
上枠との取り合いや巾木との取り合いは大抵チリが狭い事が多いです。取り合いに隙間があれば無理くりシートを差し込みますが大抵は隙間がありません。そんな時は予めチリに薄めたGボンド(ゴム系ボンド)を一塗りしておくとそこから剥がれる可能性が激減します。

ダイノックシートを貼る要領で隣り合った材に少し被せる納め方もありますが、見た目がもっちゃりするので今回のような新品と同等を求められている現場では許されません。
非常事態!
焦らず急いだので思ったより早く終わったと思った矢先、信じられない事態が起きてしまいました。


角が浮いて来てしまいました。。。
貼ってる時はなんともなかったのに…
考えられる理由としては、
・時間に焦ってしまってプライマーの乾燥時間が短かった
・逆に角部分の下処理(足付け・プライマー)が足りなかった
などが挙げられます。
まだ時間があるので一度剥がし再施行を試みます。
そして、施工完了
時間の関係で再々手直しはもう出来ないのでここは慎重に、一つ一つ確認しながら進めていきます。2回目となると要領も掴めてスムーズに進みます。


もう剥がれてこないでね。
おまじないをかけたあと監督さんに確認してもらって試合終了です。
反省点
幾つかありますが、最大の反省点はやはり焦りからくる時間配分のミス。
こういった現場なので、早く終わらせて楽になりたいという心理を払拭出来ずに焦り、それが施工に反映されてしまった事です。
使う道具達は揺るぎないものですが、人の心は状況によっては揺らいでしまうものです。
平常心で挑むことこそ使う道具のポテンシャルが最大限に発揮出来ると感じた事案になりました。
作業する前に一服。
焦ってるなと感じたら一服。
する余裕を持つ事が実は結構大事な事で、結局一番の近道になる様な気がしています。
